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    中国共産党独裁体制の「終わり方」宮崎正弘

    2016 - 08/25 [Thu] - 20:28

    中国共産党独裁体制の「終わり方」

    「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より転載 平成28年(2016) 8月20日(土曜日)弐
    通算第5000号記念特大号

    中国共産党組織図

    共産党独裁体制の「終わり方」のシナリオにはいくつかある。旧ソ連型か、旧ユーゴスラビア型かと。情勢如何で政局の変化で次の政局へと輻輳している。  しかし、中国共産党の現状は物理的に見れば、残念ながら早晩終わるとは考えにくい。なぜなら、人民解放軍が230万、武装人民警察が100~120万、ネット監視団がアルバイトを含めて200万。これだけの「監視+弾圧装置」をもち、これが機能しているからだ。この場合の前提条件は、経済成長が続くことで、国家の収入があり続ける意味において、権力装置が安泰であれば終わることはない。  そこで旧ソ連を考えてみる。ソ連の場合なぜ「壊れた」のか。

    もちろん、70年という全体主義の金属疲労もあったが、軍事負担に堪えられなくなったからだ。経済が停滞したところで、次々と最新兵器を造ることなどできるわけがない。そういう意味でカネの問題から始まった。  それとソ連の場合は西側と同じくキリスト教(ロシア正教)の基盤があって、地下における西側との情報交換があった。  このソ連型崩壊というのは、軍事費の問題が一番の要因だ。ところが中国の場合、軍需負担はまだまだ続く。経済成長が公称でも6・5%まだあるからだ。
    そして、軍事費が毎年2桁で伸びている。

    どこかで臨界点が来るが、経済成長の度合いで変わってくるが、そうなると破局は来にくい。それで導かれる結論は、中国の経済がガタガタになったら意外に早く共産党の崩壊は始まる、ということだ。  これは現在つかみきれるデータから総合するとそう言えるのだが、もう一つの問題は、予測できない出来事だ。

    つまり(習近平国家主席の)暗殺やクーデタ。暗殺未遂は習近平はこれまで8回ほど遭遇している。彼の右腕の王岐山も9回暗殺未遂あり、泊まっていたホテルが放火される事件などが起こっている。

    ▼暗殺を恐れる習近平

     習近平は「ブラックパージ」という「腐敗幹部」を摘発する運動を行う中で、軍人(制服組トップ)も捕まえている。  中央軍事委副主席だった徐才厚は元の瀋陽軍区のボスで、郭伯雄は蘭州軍区(西安など北西部)を牛耳っていた。習近平は(東北部の)吉林省に視察の時も軍隊の基地には行かないでスルーしてしまう。つまりそれだけ暗殺を恐れているということ。  それで暗殺やクーデタについては、細心の注意を払っており、ことに直近のトルコのクーデタ未遂事件に連結するものだ。

     旧ソ連の場合は、最後にクーデタ未遂があって、ゴルバチョフがコケて拘束された。だがこのクーデタは失敗したのは軍がサラリーマン化したことだ。  トルコの軍事クーデタの失敗もそうだが、失敗したことによって反エルドアン派が一斉摘発された。これは結構大きな「政変」でおよそ8万人の停職処分となった。  それでペレストロイカを唱えたゴルバチョフの影響力が失せ、エリツィンが登場し一気に流れが変わった。共産党脱退が始まる。

     こでゴルバチョフの政治力がなくなって、すかさずエリツィンが全土にあった共産党ビルを閉鎖した。これで共産党は機能しなくなった。そうした「技術的」な問題が実は大きい。  だからこれを中国に当てはめ、中国でもゴルバチョフ的な人間が登場しないことには次のステップに行かない。

     どういう命令を出し、どこで非常事態宣言をし、全土にある共産党ビルを閉鎖させ、事実上共産党が機能しないようにする。そうすれば一気に崩壊していくだろう。そういうことは考えられるシナリオだ。

     ▼習近平がゴルバチョフになる可能性は?

     習近平が一番重要視するのは「自分はゴルバチョフの二の舞はやらない」ということだが、皮肉にもそうなる可能性は十分あり、やっていることも近い。  中国が崩壊するシナリオとして、あまりにも反腐敗をやり過ぎたて、周りを全部敵にした。そうなると、昔ソ連でフルシチョフが秘密会議で突然解任されたように、来年の党大会前に開かれる「七中全会」で退任決議が出るかも。だからゴルビーになるまいと決意したところが、皮肉にもますます近づいているアイロニー(皮肉)がある。

     それともう一つ、経済的側面だ。今の中国の経済というのは全くの「ゾンビ状態」だ。  中国は2008年にリーマンショックが起こるが、ずっと財政出動を続けてきて、国が保たれてきた。そうした財政出動の結果やったのが、ハコモノを作ってハイウェイを作って鉄道を引いて新幹線をつくり、とすばらしいことをやったが、その結果たるや恐るべき借金の山だ。  例えばマンションだと、34億人分、戸数にして1億戸が空き家になっている。中国の新幹線は1万3千キロある(日本は営業3千キロ)が、これは鉄道債を発行してカネを集めている。借金で造っているわけだ。

     ならば新幹線収入はというと、中国では運賃が安いため赤字続きだ。だから回転資金が動脈硬化的で追いついていない。すると見えてくる未来は、借金の山であり、リーマンショック以降に4兆元、当時のお金で57兆円、それから毎年120兆~140兆円と出し続けた。  そのマジックが一方において可能だったのは、外国からの直接投資が年平均1千億~1300億ドルあった。これで多少の帳尻は合う。しかしそれでも足りない分は、全部赤字国債・政府債・地方政府債、国有企業なら社債、それから株のインチキ増資による株式市場からの調達と、怪しげな手を使っている。

     今日までの中国の借金は、だいたい3300兆円と見積もられる(ウォール街の推定)。これ全部不良債権ではないが、仮に40%が不良債権だと1320兆円で、これを抱え込んでいる。  日本のバブル崩壊の時の不良債権は120兆円だった。

     日本のバブルの10倍以上の規模を持って出て来るわけだ。今、それを隠すためにまた財政出動をやっているが、今度は裏づけがない。赤字国債を発行している形跡もない。地方政府債も発行できない。企業の社債も売れないから発行しない。

     株式はどん底で、株式市場からの資金調達もできない。ではなぜそんなことができるのか。それは、ただ輪転機を回しているに過ぎないからだ。裏づけがないのがわかっているからこそ、人民元が暴落している。現在、ピーク時から40%にまで落ちている。  論理的には、ピーク時1人民元22円だったのが、1人民元10円にまで落ちたら帳尻が合う。そうなると超モーレツインフレが起こるので、それと経済面での崩壊は、失業に結びつく。

     ▼炭鉱町の荒廃ぶり

     今、1500カ所ぐらい炭鉱が閉鎖されているため、推定で40~60万人が失業している。さらに鉄を造りすぎて、鉄鋼所が閉鎖されているため、日本の場合、一つの高炉を止めると7千~1万人が失業する。中国の場合もっと非効率的だから、高炉あたり1万5千人だろう。だから、深刻な労働争議が起きている。こうしたストライキの鎮圧は武装人民警察が行っていた。ところがつい最近、とうとう軍隊が出動して鎮圧した。これはつまり前よりも一層深刻になっているのだ。

     しかも、軍人が「食え」ている間はまだ鎮圧できるが、軍人が「食えなく」なれば、容易に政府に反逆する。だから政府も必死で軍人を食わせようとする。
     だから軍寄りの政策が出て来るだろうし、失業者が増大することによって、暴動が流血を伴ってくる。従来の暴動が鎮圧されていたのは、組織がなく横の繋がりもなく、指導者がいなかったから。ところが、今やネット時代で、横の連絡が取りやすくなっているし、卓越した労働運動の指導者も現れ始めた。これに、宗教運動と結びつくのが中国の歴史だ。

     太平天国や義和団の乱、もっと昔なら元を滅ぼした白蓮教とか、そういう宗教結社が出て来る。それが怖いから、今法輪功を徹底的に弾圧している。そうしたことが要因で共産党は崩壊していくということだ。   習近平の頭の中は、父親はさておき、指導者としての毛沢東を尊敬しており、毛沢東の真似ばかりしている。毛沢東に心服しているのは、ここまで中華帝国をここまで巨大にした排外主義的覇権主義ということだろう。  習近平に替わり、南シナ海の7つの珊瑚礁を埋め立てて軍事施設を造り、アメリカの抗議をものともしない無謀な冒険主義を続けるのは、ある意味毛沢東を超えている。

    「九段線」を確立したことも、「史上かつてない大帝国」だとも言える。そういう意味では、自分の権力を固めるために政敵を葬るために「反腐敗運動」という表看板を楯にどんどん政敵を葬り出した。最初は江沢民派だけだったのが、次は団派(共青団派)に手をつけ令計画を失脚させたことで団派を敵に回してしまった。これは習近平にとり致命傷ではないか、周り全部が敵になったのだから。  政治家で「偉さ」を量る指標に、「その人のために死ねる人間が何人いるか」ということがある。毛沢東の周りには死んだ人が何十万人といたが、習近平のために死のうという側近は今や一人もいない。

     ▼王岐山との関係は微妙になっている

     王岐山のこころは習近平から離れていると考えられる。
     「子分」たちの中では、「中国のキッシンジャー」と呼ばれる政治学者で外交文書を全部作っている王扈寧(こねい)という人物だが、これも距離を置いている。そして経済政策ブレーンの劉鶴も浮き足立っている。

     いつ失脚させられるかと中南海がささくれだっている。習近平に尽くしても、今度は自分が失脚させられるのではないかという恐れだ。  かつての毛沢東の場合は、権力を確立するために、まず反右派闘争をやり、百家争鳴をやり、自分の思想に敵対する分子をあぶり出して次々と粛清していったあげくに、今度は一番仕えていた劉少奇を葬り、最後に林彪を葬った。こういったことは例えば、明の太祖・朱元璋は、自分が権力を握るまでに尽くしてくれた忠臣・部下を順番に殺していった。同じことをやっている。独裁政権とはそんなものだ。

     こうした強い権力を打ち立てられるかは、昔と違って今は情報が外部に出やすい、世界中の人間がいつでも中国に来れる、テレビやネットがある。  その点、中国の習近平政権が大いに注目し参考にしたのが、今回のトルコのクーデタ騒ぎだ。なぜあれだけの反撃ができたのか。ツイッターの存在があったこと、それから自国のテレビ局はクーデター軍が押えてダメだったが、海外のCNNのトルコ支局に繋いで流したことは、ツイッターを監視していて敵視していたツールを使って、まさか自ら武器として反撃できたというのは、大きな皮肉だと言える。

     習近平こそこのクーデタ事件を注視していた。クーデターが起きた時にどう対処すべきかという、「トルコ・モデル」として政権維持の危機管理上のモデルケースとなった。

     トウ小平の復権で文革批判の文学や映画など芸術作品が生まれ活況を呈したが現代中国では文化的状況は、まさしく文革時代に逆戻りしているような様相である。

     習近平はますます言論弾圧を強めている。この間も『炎黄春秋』という歴史のある理論誌を廃刊にした。そしてちょっとでも批判を書いた新聞社の幹部はみな失脚させられ、殺された者や大けがをした者までいる。

     しかも、それは本国だけでなく、「一国二制度」のはずの香港でも、最大紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」(SCMP)が買収されてしまった。「明報」の編集長も襲われた。「リンゴ日報」の社長は自宅に火炎ビンが投げられるなど「言論の自由」を守るのは本当に命がけだ。  ここにきて、中国の統制は台湾にまで触手を伸ばしている。台湾も「自由時報」以外は、今やすべて中国資本だ。

     さらに香港・台湾ばかりか、ついにはシンガポール、アジア全域の中華街にアメリカの中華街まで及んでいる。ただ、現地の新聞の記者は質が悪い。だから新華社電をそのまま転送するだけ。逆に読者は現地語が読めず、タイでは、みなタイ語を話しているし、中国語の新聞など読むのは高齢者だけ。ともかく、中国の言論弾圧はますますきつくなっているので、それに対するネットでの反発がもの凄い。

     中国はネット監視団で、ちょっとでも変な記事を出せば図具削除する。一方では書き屋がいて、「習近平偉い。やってること正しい」と書き込みすると、一通につき150円もらえる。1日20通書けば3千円の収入が得られる。

     それを生業にしている者が多い。大学を出ても職がないからだ。一見盤石に見えるものの、非常にフラジャイル(壊れやすい)な「弾圧装置」と監視体制を持っている。そのことを習近平自身がひしひしと感じているので、自分の周りのボディガードは全部入れ替えるほどに、警戒している。

     ▼ソ連・東欧と異なり、天安門事件が起こった中国はなぜ民主化できなかったのか?

     その違いはシンプルなことだ。民主化される可能性は、ほとんどなかったのではないか。あの時、趙紫陽が武力で学生らを弾圧することもできたが、主導権を取る決死の覚悟がなかった。でも趙紫陽が「指導力」を発揮したからと言って軍が着いてきたかと言えばそれは疑問だ。

     いずれにしろ東欧と決定的に違うのは、ヨーロッパの民主化というのは、第一にキリスト教の地盤があったこと。中国には無神論で宗教的基盤がないから、むしろ新興宗教が置きやすい。

     第二にソ連が入ってくる前までは、みな民主主義を謳歌していたことだ。民族の記憶回路に民主主義とは何かということがあった。  翻って中国の場合、4500年間、一度も民主主義を経験してこなかったことが決定的だ。キリスト教は地下に潜ったまま。今も相当な勢力が存在している。
     天安門事件で西側諸国が制裁には動いたが、ロシアも同様だが、制裁されれば結束し、西側の陰謀だと言って国民を納得させた。そういう意味でヨーロッパと中国は違うのではないか。

     ▼ポスト習近平体制への動きはどうなるのか。江沢民派や共青団派の巻き返しは?

      最高幹部とは江沢民の子飼いの人脈は全部失脚した。右腕の曾慶紅が残っているが、彼は江沢民派という狭いセクトではなく広く太子党を掴んでいるため習近平は手を出せない。また、団派の連中はいわば頭でっかちのエリート集団。人を殺したりする「革命の修羅場」を超えてないから限界があるだろう。

     政治局常務委員による集団指導体制では、実質の最高権力機関は長老たちが一堂に会する「北戴河会議」だ。ただ、これは長老たちが年を取って宋平は101歳、喬石は死に、李鵬は88歳と、彼らはだんだん歩行困難言語不明瞭になってきた。だから習近平が我を押し通そうと思えばできるようになった。この「隠れた最高権力機関」が有名無実になる可能性は十分ある。

     中国の超大国化については、アメリカはこれを予想していたどころかむしろ奨励したのがアメリカで、特にキッシンジャー(元国務長官)がそうだ。というのも彼ら世代の頭には、「日本脅威論」がまずあるからだ。

     レーガン政権時代「スーパー301条」等で叩こうとしたが、日本の経済は強かった。次にハイテク分野を韓国に移して韓国の産業を強くしたりした。「ヤングレポート」にも現れているが、日本の「一人勝ち」を阻むために、中国を延々と支援し続けた結果、アメリカと対峙できるほどの軍事大国になってしまった。これはやはりアメリカの失敗でもある。アメリカには長期的な国家戦略は存在しない。

    ▼―親中的経済政策を採るイギリスEU離脱を中国立場は。

     BREXITという英国の決断で中国はかなり得をした。イギリスがEUに馬鹿馬鹿しいと思ったのは主権が侵害されていると感じたからだ。  中国は地政学的に有利で、海と陸のシルクロードの結節点は欧州にいくので財政難のギリシャ最大のピレウス港を買収した。

     その一番先にあるのがイギリスだ。イギリスはEU離脱で政治的に内向的になる。それは、NATOの結束を弱体化させることにもつながる。  ハーグの国際仲裁裁判所の裁定が、中国の主張はすべて根拠がないと言ったにもかかわらず、欧州の反応は極めて冷ややかで、中国批判が出なかった。欧州は基本的に中国重視だからだ。

     とくに英国とドイツがそうだ。ドイツの場合はモノづくり経済で、中国でモノをつくってさんざん儲かった。イギリスの場合は完全に金融だ。中国のぶち上げたAIIB(アジアインフラ投資銀行)を立ち上げの際にもイギリスは真っ先に手を挙げた。これはアメリカを裏切っていることにもなるわけだ。

     人民元市場を西側で真っ先に手を挙げ、人民元立ての中国国債を扱うところまで来た。この親中路線は、キャメロンからメイに代わっても基本は変わらないだろう。外相のジョンソンも親中派だ。イギリスは自国の損することは絶対にやらない。それをドイツは警戒していた。

     イギリスがポンドに拘ったのは主権行使の問題。ユーロは実質的にドイツが主導している。  歴史的に中東パレスチナ問題も、サイクス=ピコ協定やバルフォア宣言などみなイギリスが仕掛けたこと。だからMI6など諜報機関が発達し情報力がすごい。その尻ぬぐいをアメリカがやっている。いずれにせよ、中国は「ブレグジット」と称されるイギリスの離脱問題をチャンスと捉えているのは事実だ。

     AIIBについて見ておくと、華々しいスタートは裏腹に、うまく行っていない。
     習近平にとってAIIBの成否は政治生命を賭けた死活問題だ。しかしその意気込みにもかかわらず、失敗するのは目に見えている。それは日米が参加しないからだ。日米の不参加の致命的に意味することはAIIBの「格付け」が取れないこと。

     格付け取れないとボンド(債券)が発行できない。銀行は資本金には手をつけず、ボンドを発行し投資家から資金を集め利息を付けて貸し回収して儲ける。だからこそ中国は日本の切り崩しを狙って鳩山由紀夫元首相を北京に呼びつけAIIB顧問にするなどの挙に出た。  アメリカはもはや南シナ海問題がある限り中国のAIIBに協力しないし日本にも協力しないよう最大限の圧力かけている。

     AIIBの実態は、自前の資金調達の他にADBとIMFからの迂回融資で、ADBとIMFに乗っかった実績づくりにすぎない。つまるところAIIBは最初から銀行の体をなしていない政治機関でしかない。

     ▼となると、中国経済の本当の姿とは?

      中国の経済には、本当に存在する実態経済とフェイク(見せかけ)の経済とがある。中国企業の情報が不透明ということは、どんな活動をしているかがわからない。わかっているのは、中国に出て行った外国企業だ。例えばトヨタや日産、フォルクスワーゲンなど販売台数でわかる。

    翻って中国企業は何もわからない。かろうじて実際に中国の実態がわかるのは、電力消費、鉄道貨物輸送くらい。輸出入の決済残高などあてにならない。これらが実は減っているのに「6%の経済成長」はあり得ない。

      中国の外貨準備が一番怪しい。

    2014年に3兆8千800億、15年に3兆3300億、16年6月現在で3兆1923億ドルと推移しているように、ものすごい勢いで減っている。
    一つ目のカラクリは、外貨準備とは経常収支の累積だから、輸出から輸入を引いたマイナス、これが実質的な貿易黒字で、これに日本だと特許料収入が入るが中国はない。こうした経常収支の積み重ねをやると中国の外貨準備は、せいぜい1兆2千億程度だ。

     二つ目のカラクリは、外国から借りたお金をこの中に入れていることだ。この1年間に中国は外国から5千億ドルを借りている。外貨準備がふんだんにあるのに外国から金を借りるのはどう見てもおかしい。

     でもこれだけのカネを借りられるのは、実態の1兆2千億ドルは米国債で保有し、その米国債を担保に入れているからだ。  以上は表の話で、ウラでは「汚職」だ。中国の「文化」になってきた賄賂が、あらゆる行政の末端に至るまで浸透している。

    そうして得た賄賂は香港でロンダリングされ、さらに英領バージン諸島にわたったお金は、今度は国籍を変えて中国に戻ってくる。このお金が株と不動産に投機されていたのである。  この出て行った金を中国政府は認めているがそれは1千億ドル。さらに中国の内部文書によると1兆800億ドルと報告されているがこれでも少なすぎる。

    CIAがまとめた数字によれば、3兆800億ドルだという。この数字の根拠は、GFIというCIA関連のワシントンのシンクタンクの数字だ。これがなぜ信用に値するかというと、2001年の9・11同時テロ後に、対テロ戦と見たアメリカは法律を変え、テロリストに渡る資金を断つために、スパイ衛星を動員して、世界中の銀行間のトランスファーをモニターし不正なモノをチェックできるようになったためだ。

    習近平の説く「愛国心による中華民族の復興の夢」なるものも、所詮は「愛国」と言っている人間たちが、実は海外にカネや資産を逃がし、子女は留学させ豪邸を買って棲まわせているのだから、いかに偽装に過ぎないかということだ。

    (本稿は『世界思想』九月号のインタビュー記事を加筆訂正したものです)
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