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    AIIB アジアインフラ投資銀行 最初の案件

    2016 - 08/24 [Wed] - 05:56

    チャイナ政府が推し進める「一帯一路」構想を金融面から支援する、AIIB(アジアインフラ投資銀行)は、2016年6月25日、第1回年次総会を開催した。総会には、正会員57か国に、加盟申請中の24カ国もオブザーバーとして出席。

    第1弾の融資案件としてバングラデシュの送電線事業など計4件、5億900万ドル(約520億円)を決めたと発表。融資の形態、対象事業など各方面に配慮した形跡がある。まずは運営を軌道に乗せるのを最優先して安全運転に徹した格好だが、一部には中国政府の影響も垣間見える。

    単独融資はバングラデシュの送電網改良や拡張案件に1億6500万ドルのみ。
    インドネシアの貧困地区の住環境改善の案件は世界銀行と協調融資で、2億1650万ドル。パキスタンの高速道路建設事業案件はアジア開発銀行との協調融資で1億ドル。中央アジア・タジキスタンの道路の改良事業案件は欧州復興開発銀行との協調融資で2750万ドル。融資対象には、インドの送電線事業があったが、途中脱落、パキスタン案件は残った。

    利益


    ■ アジアインフラ投資銀行 ■
    Asian Infrastructure Investment Bank, AIIB

    2013年10月 習近平が「アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議」で提唱。
    2014年4月 李克強が 「ボアオ・アジア・フォーラム(BFA)第13回年次総会」で提唱。
    2014年10月24日 北京に21カ国が集まり、設立の覚書(MOU)に調印。
    2014年12月29日 チャイナの政府系銀行などによる共同出資で「シルクロード基金」を400億ドルで設立。
    2015年3月12日 イギリス外務省が、G7(先進7カ国)では初の参加を表明。その後、フランス・ドイツ・イタリアも参加を表明。
    2015年4月15日 中華人民共和国財政部が創設メンバー国57か国を発表。
    2015年12月25日 17ヶ国が批准したことで出資比率が50%を超え、正式に発足。
    2016年1月16日 開業。創立57か国が拠出する資本金計1,000億ドル。約30%をチャイナが拠出し重要案件決定の拒否権を持つ。
    2016年6月25日 第1回アジアインフラ投資銀行年次総会。加盟申請中の24カ国がオブザーバーとして出席。

    日本、アメリカ合衆国、カナダなどは2016年1月までに参加していない。

    総裁:金立群
    http://www.aiib.org

    ■ 背景
    日米が主導するアジア開発銀行(ADB)、米国が拒否権を持ち米国企業を優先する国際通貨基金や世界銀行では賄いきれない、アジアの増大するインフラストラクチャー整備のための資金ニーズに、代替・補完的に応えるということを目的として、チャイナ(中華人民共和国)が設立を提唱。
    チャイナには「シルクロード経済ベルト」として活性化することを目指す「一帯一路」構想があり、この構想を実現するためのインフラ整備の金融支援の役割を、AIIBが担うと期待される。チャイナは、これをテコにインフラ輸出を加速させ、アジアでの影響力の拡大と、余剰供給能力の解消につなげたい考えだ。チャイナが既存の国際金融秩序に対して不満を持っていたことが、設立の背景にある。

    ■ 三重の構造
    AIIB理事会(Board of governors)
    取締役会(Board of directors)
    経営陣

    構成国から1名ずつ派遣される理事で構成される理事会がAIIBを司り、理事会は必要に応じて取締役会に権限を移譲することができる。取締役は地域内構成国から9名、地域外構成国から3名が選出。総裁(President)は理事会で選出され、最長5年の任期で取締役会の意向を受けて実際の経営を担当。

    世界銀行やアジア開発銀行(ADB)では理事が本部に常駐しているが、チャイナ側は「組織運営の効率化」を理由に本部を置く北京に理事を常駐させない方針。

    ■ 資本
    資本金は当初500億ドル。最終的には1千億ドル。出資の約75%はアジア域内、残り約25%をアジア域外のヨーロッパなどに割り当て、経済規模に応じて個別の出資比率を決めようとしていた。
    出資比率について、国内総生産(GDP)を基準にすると、チャイナの比率が4割近くに突出する。チャイナに対抗心を持つインドなどが別基準も織り込むよう要求。チャイナは、他の参加国に配慮して出資比率を3割弱に下げるとともに、インドの出資比率が10%台になるよう妥協。重要議案の可決には、高い比率の賛成が必要になるようにして、実質的に拒否権を確保した

    AIIBは、加盟国の国内総生産に応じて負担額が決まる予定なので、仮に日本が参加する場合約30億ドル(約3600億円)の財政負担になると、日本国政府は試算。

    2015年12月の発足時に集まった出資金は、資本金全体の50.1%と設立に必要な50%を辛うじて上回ったが、国内で批准手続きを終えたのは17カ国に留まった。また、資金調達のために発行する債券が、当初は格付けを取得せずに発行されることになった。

    ■ 日本の加盟に反対する識者の反応

    公正なガバナンス(経営統治)が確立できるのか。中国がAIIBを意のままに動かそうとするのではなく、加盟国を代表する理事会がきちんと個別案件を審査・承認できるかどうか。総裁の権限範囲。
    債務の持続可能性を無視した貸し付けを自制できるのか。
    環境や社会への配慮が確保できるのか。

    不良債権の山をこしらえてしまいかねない。
    中国の掲げる「一帯一路」構想が「中国経済の長期的なリバランス(外需から内需に向けた再調整)を台無しにしかねない」リスクをはらむと指摘されている。

    田中秀臣は、「(インフラストラクチャー投資は)利権の温床であり、腐敗の根源になりやすい」とし、国際的な汚職を生み出しかねないとした。

    第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生は、AIIBにおける運営が不透明な中で、拙速な判断をしなかったことは妥当とした。

    経済評論家の山口正洋は、欧州はギリシア問題で、国家による債務不履行を認め「金融におけるルビコン川」を渡ってしまった状態であり、それが中国、ロシアといった元々リテラシーに欠けている大国と「呉越同舟」する組織はリスクが大きすぎ、関与すべきではないとした。

    ■ AIIBの危うい本質 ■

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム 2016年07月04日 11:54
    政策提言委員・拓殖大学海外事情研究所教授  澁谷 司

    http://blogos.com/article/182012/

     今年2016年1月、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)が正式に発足した。AIIBは、約1000億米ドルを基金として設定している。初代総裁には中国の金立群が就任した。

     さて、中国はADB(アジア開発銀行)に対する世界最大の借金国である。2014年9月の数字では、ADBは貸付総額の約26%を中国へ貸し出している。本来ならば、北京は、この借金を返済してからAIIBを設立するのがスジだったのではないか。

     中国政府は、AIIB発足以前から融資・決済に人民元を加えるよう各国へ呼びかけた。

     依然、人民元は、変動相場制を採っていない。米ドルにペッグされている通貨である。また、北京政府に人民元は管理されている。さらに、中国の銀行のATMから人民元の偽札が出て来ることは、つとに知られている。そんな人民元が国際通貨となること自体、面妖ではないか。

     周知のように、AIIBの実態は「無格付け」の国際銀行である。ADBが銀行だとすれば、AIIBはノンバンクに相当する。前者は、貸付条件が厳しいが、後者はその条件が緩やかである。

     米国(世界第1位のGDP)と日本(世界第3位のGDP)がAIIBへ参加しない以上、資金調達が難しい。そのため、中国高官らは、昨年来、ずっと日本にAIIB参加を要請してきた。

     AIIBは1件あたり、投票権の75%以上の賛成(各国は拠出金に応じて投票権の割合が決定)を得られないと、案件は承認されないという決まりがある。

     AIIBでは、中国(世界第2位のGDP)の出資比率(29.8%)が1番大きいので、1国で26%以上の投票権限を持つ。そのため、事実上、中国がすべての案件に対する拒否権を持つ。中国が承認しない案件は、全部廃案となる。

     このルールを見ればわかるように、AIIBの本質は、中国が他国から調達した資金を自国の都合の良いプロジェクトに利用する仕組みである。

     現時点で、AIIBに57ヶ国が参加しているが、近い将来、あと30ヶ国・地域が参加する予定だという。ただし、いくら参加国が多くても、日米が参加しない以上、相変わらず、「無格付け」の状態が継続するだろう。

     実は、今年4月、英『フィナンシャル・タイムズ』紙は、以下のように伝えていた。

     AIIBはノウハウが不足しているので、他機関との協調融資を行う中央アジアでの道路建設を建設する。
     第1に、AIIBは、パキスタンでアジア開発銀行(ADB)と共同で高速道路の延長工事を実施。
     第2に、AIIBは、タジキスタンでADBと欧州復興開発銀行(EBRD)と共同で道路建設を実施。
     第3に、AIIBは、カザフスタンで世界銀行(World Bank)とEBRDと共同で環状道路の建設を実施。
     第4に、世界銀行とAIIBは、2016年中に総額で12億ドル程度の協調融資を実施。

     今年 6月25日、AIIBの第1回年次総会が北京で開かれ、最初の融資案件4件が決まった。

     AIIBが初の案件は、バングラデシュの送電事業やタジキスタンの道路整備事業など4件である。投資総額は全部で約500億円にのぼる。ただ、4つの事業が行われる国は、すべて中国が「一帯一路」に位置付けた国々だった。

     中国は、相変わらず内需が停滞しているので、AIIBを通じて、外需を伸長させようと必死である。

     同日夜から26日かけて、報じられたニュースでは、鳩山由紀夫元総理が、AIIBの「国際諮問委員会」の委員に就任するという。同委員会は、金立群・総裁らに第三者の立場で助言する機関で、10人程度で構成される。

     これは、中国共産党による一種の日米の“切り崩し”工作かもしれない。ただし、最近、他界した弟の邦夫氏と比べ、兄の由紀夫氏は、政治的センスに疑問符が付く。また、すでに鳩山元総理は日本国内ではほとんど影響力はない。鳩山由紀夫氏は、日中の架け橋になりたいと願っているかもしれないが、現実には難しいだろう。

     他方、AIIBの副総裁の一人として、韓国の洪起沢(ホン・ギテク)副総裁が最高リスク管理者(CRO)として就任した。ところが、最近、洪起沢副総裁は、急に、休職することになった。その期間は6月27日から半年間だという。

     韓国はAIIBで出資比率は5番目(中国、インド、ロシア、ドイツの次)であり、分担金は37億ドル(5年分納)に達する。だが、韓国は、そのまま、副総裁のポストを失う可能性が出てきた。韓国はAIIBに出資はしたもの、ほとんどメリットがない上、プレゼンスを失うおそれもある。

     このように、AIIBの未来は暗いと言わざるを得ない。

    ■ AIIB は資金調達力がなく泥舟。(産経新聞特別記者・田村秀男)

    AIIB は国際金融市場での信用に欠け、資金源は中韓の外貨準備をあてにするしかない。
    金総裁は中国政府がAIIBの特設ファンドにポンと5000万ドル(約51億円)を提供すると言うが、年間で5000億ドル(約51兆円)以上も外貨が減る中でやっとひねり出した。韓国はAIIB債を一部引き受けたそうだが、外貨不安がつきまとっている。

    AIIBに助け船を出したのはADBである。ADB総裁の中尾武彦氏は財務官出身で、「現役当時からかなりの親中派として知られる」(財務省OB筋)。金総裁は鳩山由紀夫元首相に諮問委員会の委員就任を打診したそうだが、中尾氏ら対中協調派を目立たなくするための目くらまし工作なのだろう。

    ADBはこのほど、パキスタンの高速道路プロジェクトでAIIBとそれぞれ1億ドル(約102億円)を受け持つ協調融資を取り決めた。AIIBはこのほか3件のプロジェクトに融資する計画を発表したが、単独融資はバングラデシュ向けの1・65億ドル(約168億円)だけである。残りは欧州開発銀行や世界銀行との協調融資で、合計4件でのAIIB融資額は5億900万ドル(約519億円)。

    ADBの金融報告書によると、昨年末時点でのADBからの最大の借り入れ国は中国である。その未実行額は76・7億ドル(約7827億円)もあり、昨年中に承認した新規分は20・5億ドル(約2092億円)もある。これらの融資はもちろん中国のプロジェクト用だが、なんか変だ。そもそも、みずからの主導でAIIBを設立し、「豊富」と自称する外準を使って他国にカネを貸すゆとりがあるのに、なぜ新規に借り入れるのか。

    ADB対中新規融資額はAIIB融資額の4倍にも達する。北京がADB資金を流用すると断じるわけではないが、ADBから入ってくる外貨を利用すれば、外準を減らさなくても悠々とAIIB資金を工面できる計算になる。

    借金国が他国にカネを貸してもおかしくないし、AIIBは膨大なアジアのインフラ資金需要に対応できないADBを補完できる、と中尾氏はAIIBを一貫して擁護してきた。ならば、中国はADBからではなくAIIBから融資を受ければ済むし、ADBは中国に融資せずに、インフラ資金の不足している国にそっくり融資するのがスジというものだ。AIIBを仕切る中国はADBの役割を補完するどころか、破壊している。 
    (産経新聞特別記者・田村秀男)

    ■ 信用力のないAIIB (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

    国際金融機関は、融資の原資を各国からの拠出金と債券発行によって賄う。そのときポイントになるのが信用力だ。中国主導で日米が参加しないAIIBの信用力は、後ろ盾になっている中国の国債と同じ程度で、資金調達コストは日米主導のADBより1%近くも劣るだろう。

    信用力は、例えば格付けという形になって現れるが、AIIBでは「格付けなし」という、国際機関では異例のスタートとなった。

    このため、単独案件では、融資条件は世銀やADBに比べて見劣りするはずだ。こうした事情から、単独案件が1本、しかも小規模にならざるを得なかったのだろう。いくらスタート段階とはいえ、鳴り物入りで設立されたにしては寂しいものだ。

    いずれにしても、日米がAIIBにきちんと参加しない限り、まともなレートでの債券発行ができず、拠出金に頼った融資運営にはいずれ限界が出てくるだろう。

    こうした状況は、中国主導というAIIBの基本的な性格とは相いれないものだ。中国主導のままでは、低い資金調達レートは無理なので、国際金融機関にふさわしい融資条件が得られないのだ。

    中国は、市場原理が貫徹する国際金融市場を見くびっていたのだろうか。しかも、国際覇権をとりたいという野望だけが先行して、グロテスクな国際金融機関を作ってしまった。市場原理と基本的に矛盾する社会主義体制で、国際社会の動向を無視することも少なくない国らしい出来事といえよう。

    (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


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