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    ダルマダースの『インド講座』

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    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (あとがき)

    2016 - 08/22 [Mon] - 20:14

    すっかり「ブログ更新」が日常生活から消えてしまっていたんですが、突然、エンジンがかかりました。シヴクマール・シャルマ師(シヴジー)の透明感のある声に導かれるままに没頭した、ここ数日間でした。

    ベナレスでは、サントゥール製作者のデヴィ・ソンカール氏と親しくしていましたので、VCDの翻訳をしている時、画面にいるシヴジーも、「サントゥール」という楽器の改良についてのお喋りも、とても具体的で、画面の中に自分もいて、同時通訳している気持ちで、パソコンのキーをたたきました。このVCD、これまで時々見て聴いていたのですが、今回文章化することで、一字一句漏らさず理解することができて、それはそれは有難かったです。

    シヴジーは、単にサントゥール演奏家・インド音楽家というだけでなく、ある意味で「無から有をうみ出す創造者」、インドにときどき出現する、偉大な聖者(マハー・サント/リシ・ムニ)ではないかと、思うんです。サントゥールを演奏する者ではない私が(音楽は大好きなんですよ)、シヴジーにぞっこん惚れ込んでいるのも、シヴジーがまさに「シヴォーハム(アハム・シヴァ・アスティ):我はシヴァ神なり」を体現している人だと、ひしひしと感じるからです。

    弦を打つことで音のでる「サントゥール」からは、多様な音が醸し出されます。

    シヴジーによって改良されて3オクターブの音域が出せ、左右の弦の張り方次第であらゆるラーガに対応し、さらに、打弦楽器なのでリズムにも強く、右手・左手に握ったバチ(カラム)を同時に使えば、幅広い組み合わせの和音も出せ、ボディー(木箱)は非常に長い時間、残響音をたくわえてくれます。シヴジーの発案した、バチ(カラム)のテクニック「ガシート奏法」によって、1つの音を保ち続ける事も可能になりました。

    木箱にたくさんの弦を張っただけの素朴な楽器ですが、演奏家の技量次第でどこまでも高度に複雑に魅惑的な音楽世界を創造することができるのです。

    実際、この楽器の可能性は、ユーラシア大陸の西方に渡ってヨーロッパにたどり着き、バチ(カラム)でたたく替わりに、一音づつ弦をハンマーでたたいて鍵盤で演奏するようになり、ピアノになったという説があります。私の妹はピアノ弾きで、家にピアノがあるんですが、あの図体のでっかい楽器が「サントゥール」というかわいい木箱から生まれたのだと思うと、とても愉快になります。私の昔の音楽体験も、「サントゥール」に親近感を持っている理由の一つです。将来、ユーラシア大陸が平和になったら、インドからパキスタン、イラン、トルコ、ハンガリーを通ってヨーロッパに、「サントゥール」の仲間達を追って、旅をしてみたいものだと、思ってみたりします。

    VCD『アンタルドゥワニ』は、1人のアーティストの半生涯を描いたドキュメンタリー作品で、テンポ早く次々と場面が展開し、「見る」楽しみが盛りだくさんです。私の翻訳文は、その補助にはなりますが、作品そのものの魅力には遠く及びません。

    しかし、よく考えてみると、このVCDは今のところ日本では手に入らないものの様です。今年5月、シヴクマール・シャルマ師が来日し演奏されますので、この機会に、なんとか希望する人の手に渡るようになればよいなと、思います。

    シヴクマール・シャルマ 日本公演

    http://sarasoju2santoor.hp.infoseek.co.jp/

    シヴクマール・シャルマ師は、御自分のオフィシャル・ウェブサイトをもっておられます。

    公式ウェブサイト
    http://www.santoor.com
    シヴジー 写真集
    http://www.santoor.com/index.php?option=com_content&view=article&id=39&Itemid=29



    「オフィシャル・サイト」から、『アンタルドゥワニ』では語られてない情報を付け加えておきます。

    1938年01月13日、シヴクマール・シャルマ師、ジャンムの街に生まれました。

    5歳から、父親ウマーダッタ・シャルマ師から、歌、タブラ、様々な楽器演奏の手ほどきを受けました。

    12歳の時、父親から「サントゥール」を演奏するように願われました。

    17歳の時、ムンバイで、音楽団体「スール・シンガール・サムサード」が主催する「スワミ・ハリダース音楽祭」に、サントゥール奏者として出演しました。

    このとき、歌の Pt.ジャスラージに会い、シャンタラン監督作品、カタックダンサー・ゴピ・クリシュナ主演の映画『ジャナク・ジャナク・パェル・バジェ』の音楽監督、バサント・デサイ氏に紹介され、映画のバックグラウンド・ミュージックで、サントゥールを演奏しました。

    19歳の時、ベナレス流派の超有名なタブラ奏者 Pt.アノケラール・ミシュラと競演。

    22歳の時、最初のアルバムを、HMVレコードからリリース。

    29歳の時、バンスリー奏者 Pt.ハリプラサード・チャウラシアと、アルバム『コール・オフ・ザ・ヴァレー』を制作。このアルバムは、インド古典音楽界で最も売れた(売れている)アルバムとして記録されています。

    42歳の時(1980年)、ヤシ・チョプラ監督作品、映画『シルシラ』の音楽監督を、ハリプラサード・チャウラシア氏と「シヴ・ハリ」の名前で手がけました。映画『シルシラ』は、2人の男性、2人の女性を巡るたいへん複雑なストーリーを持った作品ですが、俳優アミタ・バッチャンの身に起こった実話に基づいているとも言われ、たいへんなヒットを飛ばした作品です。

    48歳の時、「サンギート・ナータク・アカデミー(インド音楽演劇・芸術院)」賞を受賞。

    53歳の時、インド政府「パドマ・シュリ」賞を受賞。

    59歳の時(1997年)、息子ラフル・シャルマとコンサートで初めて競演しました。

    63歳の時、インド政府「パドマ・ビブーシャン」賞を受賞。

    69歳の時、世界銀行の「国際文化大使」賞を受賞。



    VCD全体を通して、私が一番吃驚したのは、シヴジーが、1957年、19歳の時に、あのベナレス流派の伝説的なタブラ奏者アノケラール・ミシュラ氏と演奏したことです。12歳からサントゥールを習い始め、5年経ったとは言え19歳はまだ学生。1923年生まれのアノケラール・ミシュラ氏はその時34歳。百花繚乱のボールの嵐の中、シヴジーはどんな演奏をしたんでしょうか? まさに、シヴジー自身が「良い弟子とは、バグワーン・キ・ディ・フイ・プラティッバ・ホー(神様に与えられた才能を持った人)」と言った、弟子その人なんですね。19歳・・・、すごいです。19歳の時、私たちは何をしておりましたでしょう !

    Shivkumar Sharma 005

    シヴジーが、今年5月に来日されます時、タブラ奏者としていらっしゃいます Pt.ラーム・クマール・ミシュラ氏は、実はその、Pt.アノケラール・ミシュラ氏のお孫さんなんです。これまで何度もシヴジーの伴奏をされたことがあるそうですが、海外公演に同伴するのは今回が初めてなのだそうです。どんな演奏が繰り広げられますでしょうか、とても楽しみです。



    『全訳』は、現在、初稿の段階で、これから細部の検討、VCDの中でシヴジーが演奏されている曲のラーガの種類、歌われている歌の歌詞と意味なども書き加えて、最終稿を仕上げたいと思います。

    同時に、ブログの方では、この『全訳』をもとにして、さらに説明を加え、映像資料を加えて、発展させた形で、読んで伝わる、私の文章に育てたいと思っています(・・・今後、マイペースでね)。

    このブログを読まれた皆様と、5月のシヴジー日本公演で、お会いできるの、楽しみにしております。

    合掌。

    ダルマダース(伊藤顕允)

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (はじめに)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-57.html

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (目次)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-58.html

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (前半)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-59.html

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (中盤)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-60.html

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (後半)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-61.html

    シヴクマール・シャルマ『アンタルドゥワニ』 全訳 (あとがき)
    http://dharmadas.blog17.fc2.com/blog-entry-62.html



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