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    サントゥールの音色 (2)脳細胞の癒し感覚

    2016 - 08/22 [Mon] - 19:51

     ムンバイ滞在中、時間があると、タカヒロさんはサントゥールの練習をします。その音が、とても気持ちよくて、失神したように眠りました。

    Watercolors on Japanese paper

     サントゥールの音は、粒々、コロコロしていますよね。きつく張った弦をバチでたたきますので、丸い太い中心音があり、近接した弦に共振して、モワ~~っと音が波紋のように広がります。それに、弦は木箱(共鳴箱)の上にずっと張られていますので、残響音も他の楽器より相当長いです。

     この波紋音と残響の重なり音は、おそらく他のインドの楽器にはない音でしょう。直接弦に触れないために、弦が長い間バイブレイションします。サントゥールだからこそ出てくる音ではないでしょうか。

     例えば、写真を撮る時、シャッタースピードをゆっくりして対象を撮ると、ぶれますね、輪郭がぼやけます。そのかわり、対象の形が画面に複数重なる様に現れます。色彩も重なり、芸術的効果はあがります。サントゥールの音楽は、メロディーが奏でられると、その波紋音が微妙に時差をもって、追いかけていきます。この、多元的な音の広がり、重層性を、耳がとらえようとして、脳のたくさんの細胞を使うんじゃないかな・・・と、考えてみたりします。

     サントゥールは打弦楽器です。弦をバチで打つだけですから、いわゆる「スラー:滑らかに音を出す」「ミンド(ミール):音を滑らせる」はできないですね。シタールの「ミンド(ミール)」は、同じフレット上を非常に微妙に弦を引いて音程を連続的に出します。サントゥールは、弦はデジタル的にチューニングされていますから、CとC♭の間の音(シュルティ)は、『ガシート奏法・・・いわゆるカリカリした音:バチで弦をこする』でも、出すことはできません。

     逆に言うと、音がわかりやすい。中心音はハッキリしていますからね。

     打弦楽器であるサントゥール。「たたく」という事では、おそらく、最も高速にたたけるんじゃないでしょうか。どんなにすごいタブラ奏者でも、バチでたたき出される1粒づつに匹敵する数の音を、一拍の中でたたく事はできないでしょう。一粒づつは、猛烈に細かいですね。ガットに入っても、タブラとの相性は抜群です(どちらもたたいてますから)。ちょうど絵画でいうと、点描画の世界です。近代フランス印象派のスーラの絵画に、セーヌ河の河畔に涼をとる婦人達を点描で描いたものが有名ですが、サントゥールの音楽も、繊細微妙な音の粒の集積でできあがっています。

     バチの扱い、フィンガリング、ストローク・テクニックは、シヴジが若い頃に開発し、磨きあげたものです。、これまでにインド音楽にはなかった、新鮮な色彩感と躍動感を持ったシヴジのサントゥールの演奏は、古典音楽の世界だけでなく、大衆映画(ボリウッド映画)界でも、人物の心理模写などに広く受け入れられました。

     ムンバイのお部屋で、タカヒロさんが練習している時、ラーガのアランカールを繰り返し、繰り返し弾きました。その単純に何度も繰り返されるメロディーを聴いているうちに、眠りました。サントゥールの生音は、とても優しい音量で、能動的に聴き入るつもりがなかったんですが、フィッと・・・眠ったことを全く自覚しないで、すごい深い眠りに一気に入りました。そして、何か別のフレーズに移った時、またフィッと目覚めました。この間の思考停止、意識の休息感、癒し感は、なかなか味わえないものです。

     これまで、サントゥール音楽はあまり聴いてきませんでした。というのは、音が色々聞こえてきて、メロディーラインが聞き取りにくいという印象があったからです。しかし、実は逆なんですね。繊細微妙で多様な音の万華鏡が、良いんですなあ。

     注:

     音楽を言葉で表現することに、とても興味を持っています。

     シヴジやデヴィさんが、繊細で究極的に美しい音を実現する楽器の製作にすごくこだわって、細かな話をずっとしていたように、私も、インド音楽、その音色や音質を語るための、伝わる日本語を発見・工夫したいと思っています。
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