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    中国が次々に裏返す、ビジネスの「コイン」

    2017 - 03/30 [Thu] - 21:32

    中国が次々に裏返す、ビジネスの「コイン」



    ハミングバード・アドバイザリーズCEO 佐藤剛己
    2017/3/23 6:30

    日本経済新聞 電子版

     東南アジアの現場ビジネスで見聞きする話と、日本から聞こえてくる話にギャップがあるのは、よくあること。とはいえ、気になるのは中国企業の覇権主義的な進出だ。どうしても中国企業の背後には「政府」の存在を感じてしまう。少なくともビジネスに限れば、これに立ち向かう日本勢は「非力」と言わざるをえない。

     シンガポールにいるICT(情報通信技術)系のM&A(合併・買収)担当者が「タイで同業を買収しようとしたが断念した」とぼやいていた。会社の帳簿が2、3つあるのは東南アジア企業の常だが、ご多分にもれずこの会社もそうだった。「そんな危ない会社を連結対象にできない」というのが東京本社の意向で、「それなら最初から交渉に労力を使う必要はなかった」というのが、1つめのボヤきだ。

     ただ、ボヤきには「その2」もあった。日系企業が買収を断念した後に、中国系企業が3倍の値段で買ったのだ。「彼らの値付けはメチャクチャでバリュエーションの意味がなくなる」と担当者はボヤいていた。大手投資銀行家によれば「M&A交渉の途中で中国勢の横やりが入り、高値で持っていかれることは多い」という。

     ICTといえば思い当たることがある。中国が2014年末ごろに設立した「中国アセアン情報港構想」(China-Asean Information Harbor Forum)だ。広西チワン族自治区南寧市に11年、東南アジア各国とつながる「passageway」を構築。ここからインターネット情報交通の高速化を図り、中国ICT企業の東南アジア進出を後押しする計画らしい。

    ■企業進出、軍事協力… ちらつく中国政府の影

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    2014年10月、アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立で合意した各国代表と習近平国家主席(前列中央、北京)=共同

     中国政府が進める「一帯一路構想」のインターネット版のようなもので、具体的には陸路や海底にケーブルを敷き詰める。同じように中国が主導する新海底ケーブル網「Sea-Me-We5」(フランス―シンガポール間、約2万キロ)に接続する計画のように見える。

     「ように見える」と書いたのは、全体像がよくわからないためだ。中国政治を専門とするシンガポール人の学者に尋ねたが、彼も首をかしげるほど情報が少ない。情報港構想は15、16年に南寧市で同構想に関する会議を開いたが、具体的な材料は乏しく、日本政府も情報収集を続けていると聞く。

     この構想だけでも不気味に感じてしまうが、軍事面でも顕著な動きがある。

     たとえばタイ。ここ数年、老朽化した国軍装備の買い替えを進めているが、今までの米国製ではなく中国製が増えている。中国は16年、ロシアとの競争に勝って自国製戦車100台の売り込みに成功した。タイにおける共同生産ももくろんでいる(The Diplomat、16年5月18日電子版)。

     17年1月には、中国製の潜水艦まで販売した。ただ、時事通信などによると、タイの潜水艦は1937年に日本から購入した4隻(51年に退役)以降、購入した実績がなく、いまだ世論の反対が根強いという。中国軍は15年から、米国やタイなどが実施する軍事演習にも参加している。


     ロシアも17年1月、タイ駐在のロシア大使とタイ国軍の高官が会談し、ロシア製軍用ヘリの購入拡大で合意した。ロシアには、タイを拠点に販路を東南アジア全域へと広げる狙いがある(IHS Janes's Defence Industry、17年1月17日電子版)。

     カンボジアの場合は、もっとはっきりしている。16年12月、中国軍と初めての本格的な陸軍演習「Golden Dragon」を実施した。ちなみに、米国とタイの合同演習は「Cobra Gold」という。一方で17年1月、「10年から続いた米軍との合同演習を向こう2年間中止する」と一方的に宣言。2月にはオーストラリアの対テロ合同軍事演習の中止も一方的に決めた。

     中国は16年11月、シンガポール軍の装甲車9両を、台湾の軍事訓練から帰還中の香港で拿捕(だほ)した(翌1月末に返還)。「テレックス事件」と呼ばれるこの事件も、シンガポールの一部では「中国の覇権主義の増長」と捉えられている。もっともシンガポール政府は政経分離に躍起なため、政治的な背景に関する同国内の報道は少ない。

    ■進む米国の「東南ア離れ」日本も岐路に


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    中国に一時拿捕(だほ)されたシンガポール軍の装甲車両(2017年1月、香港)=ロイター

     アジア地域の盟主を任じていた米国の「東南アジア離れ」は、今に始まったことではない。米国防総省などによると過去5年間の米国の安全保障関連の支援額は、ベトナム、ラオス、ミャンマーで増加したものの、それ以外は相当落ち込んだ。

     米国はトランプ政権が発足すると、カンボジアの親米ロン・ノル政権時代(70年代前半)に提供した軍事や食糧援助に端を発する債務5億ドルの返済を公式に要求し始めた(Sydney Morning Herald、17年3月11日電子版)。カンボジアの反フンセン政権を掲げる識者の間でも、この政策は不評を買っており、中国がじわじわと影響力を強める状況で、あえて離反を促すような行動を米国が取るのは、幻滅というほかない。

     欧米のビジネス界と異なり、日系のプロフェッショナル・ファームには政治系コンサルが極めて少ない。このためか日系ビジネス業界では、必ずしも十分な政治情報が流通していないのは残念だ。

     一方でビジネスの性質上、こうした情報に触れるインフラや天然資源を扱う企業には、筆者が教えを請う方々が多い。中国勢が追加的な軍事支援と引き換えにして交渉に臨んでいるとみられる域内インフラ事業のいくつかは、日本企業も挑んでいるためだ。この交渉には「ビジネスと国家」がわかりやすく表出してくる。

     とはいえ、小ぶりで目立たないビジネスでも、裏返された「コイン」はいずれ必ず効いてくる。日本政府には「インフラ事業以外で国家が語れるものか」という空気が支配的だと聞く。しかし、そんな悠長なことを言っている場合ではないように思う。国家による資金支援、ビジネス投資、研究開発機関の設立など、中国は東南アジアのゲーム・チェンジャーとなりつつある。企業も国家も、日本の東南アジア進出は、その手順からして岐路に立っていると言わざるをえない。


    佐藤剛己(さとう・つよき) 新聞記者9年、米大手民間調査機関11年(日本支社長3年)などを経て2013年9月、シンガポールと日本でHummingbird Advisoriesを設立。ビジネスや政治を中心に、汚職などコンプライアンス面のリスク分析を提供する。ASEAN各国や北東アジアに情報収集ネットワークを張り巡らせる。公認不正検査士

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