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    ビッグブラザーが現実になるインド生体認証

    2017 - 03/30 [Thu] - 21:26


    ビッグブラザーが現実になるインド生体認証

    2017年3月28日付 フィナンシャルタイムス記事 
    日経新聞に翻訳

    2017/3/29 6:30

     このところ、自分の指紋と目の中に潜んでいるかもしれない秘密に思いをめぐらせている。その情報をインド政府と共有したいかどうか考えてきた。私には選択肢がないかもしれない。

     インドには、「アドハー」(ヒンディー語で「基盤」や「基礎」を意味する)として知られる世界最大の国内生体認証IDシステムがある。2010年以降、政府は10億人以上の住民から指紋と瞳の虹彩スキャンを収集した。それぞれに12ケタのID番号を割り振っている。

    India20170330001.jpg
    アーメダバードの駅で電車を待つ人々。電車の切符購入も生体認証が求められる日が来そうだ=AP

     このIDシステムは、IT(情報技術)サービス大手インフォシスの共同創業者で大富豪のナンダン・ニレカニ氏によって積極的に推進されてきた。当初は、悪徳仲介業者にかすめとられた食料補助金などの福祉給付金が貧しいインド人に確実に届くようにするために考案されたものだった。多くが出生証明書を持たないインド貧困層に、全国どこでも利用できるポータブルIDを与える制度とも見なされた。

    ■生体認証登録、もはや任意ではない

     これまではアドハーのID番号取得は任意だった。大半のインド国民は潜在的な恩恵を理解し、ためらうことなく登録した。しかし、インド政府はここへ来て、アドハーを福祉制度以外にも活用しようとしている。これは、個人の生体情報の共有が実際にはもはや任意ではないことを意味している。アドハーへの登録は「純粋に任意」であるべきだとするインド最高裁判所の裁定にもかかわらず、だ。

     政府は先週、表向きは税法の順守を改善するために、納税申告の際にアドハーのID番号の提示を義務づける規則を発令した。また、2018年までにすべての携帯電話番号を必ずアドハー番号と紐付けさせることも決定した。インド国鉄は、鉄道乗車券をオンライン予約する人にアドハーID番号を要求する計画さえ立てている。

     かつて福祉給付金の交付を改善する構想としてうたわれたものが今、突如、監視国家の基盤のようになった。私自身、自分の生体情報をデータベースに登録するという考えには不安になると認めざるを得ない。

     米国市民として、私は政府に生体情報を提供しなければならなかったことは一度もない。外国の市民が米国入国時に指紋を採取されることは知っているが、国内では、指紋を採取されるのは犯罪容疑者か政府の仕事に応募する人だけだ。

     私にとっては、自分の瞳のスキャンを政府と共有するという考えは、ディストピア(反ユートピア)的なハリウッド映画「マイノリティ・リポート」を思い出させる。当局が光学認識カメラを使いあらゆる公共の場にいるすべての人を特定できる近未来を描いた映画で、トム・クルーズが演じる逃亡中のヒーローは、探知されるのを防ぐために違法な眼球移植を受ける。

     最近、インドの学者や活動家が、アドハーのデータセキュリティーや、プライバシールールの欠如、データが不正利用された場合に説明責任を問う仕組みの欠如について懸念を提起している。

     「生体認証が兵器化されている」。バンガロールに本部を置くセンター・フォー・インターネット・アンド・ソサエティーのスニル・アブラハム事務局長は、こう話す。「心配しなければならないのは、誰かが自分の銀行口座を空っぽにしたり、犯罪のぬれぎぬを着せたりすることだ」

     インドのシンクタンク、政策研究センターのプラタープ・バーヌ・メータ所長は「市民の活力を強めるツールから、国家監視と弱者としての市民のツールに変わったアドハーの転換」について書いている。

    ■「指紋ならコップから盗める」

     私はニレカニ氏に電話した。彼の立派な意図については何も疑いを抱いていない。同氏は2009年にインフォシスを去った後、政府で5年間働き、アドハーを軌道に乗せることに取り組んだ。ニレカニ氏は、自分のプロジェクトが監視社会の一部だと非難されることに「非常に腹が立つ」と述べ、この見方はプロジェクトを「完全に誤って伝えている」と言う。

     「指紋なら、あなたのコップから盗める。こんなに複雑な技術は必要ない」とニレカニ氏は言う。「監視するのであれば、私の電話を追跡したり、タクシーを呼ぶために地図を使ったときに追跡したりするほうが、ずっとうまくできる。地図は私の居場所を知っているからだ。インターネット企業はあなたがどこにいるか知っている」

     脱税目的で複数の納税者IDカードを所有するなど、規則を迂回する巧妙な手段でよく知られた社会では、個人の生体認証は規律をもたらし、不正を減らせるとニレカニ氏は指摘する。「規則に基づく社会を築くようなもので、その移行は目下進行している」と同氏は言う。

     私は安心できないまま、電話を置いた。私にとっては、ほかの多くの場所の状況と同じように、インドで今、(英作家ジョージ・オーウェルの小説に登場する独裁者)「ビッグブラザー」が次第に監視の目を強めていることは明白に思える。

    By Amy Kazmin


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